レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ 『トルストイ前期短編集』

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気が向いたので大昔に買って積ん読しといたトルストイの短編を読む。いやぁ、なんか、読んでいて心が荒むような小説が集まっている。多くは貧乏人(乞食だとか、農民だとか)が主題に選ばれているんだけれど、そうした場合、ほら「貧乏だけど心は錦」的な、「腹ペコだけど、オイラ幸せさ(だって、こんなに温かい家庭に生まれたんだもの)」的なハートフルなストーリーを期待してしまうじゃないですか、現代の感動ポルノ中毒の人だったら。でも、トルストイはそうじゃなくて。徹底して貧乏人の心の貧しさとか、汚さとか、矮小さを描いているのだった。作家自身は金持ち生まれで、そうしたリアルライフになんらかの問題意識をもってこういう人間模様を描いたんだろうけれども、悪意さえ感じてしまうほど。やっぱりね、こういうものを読んでしまうと、貧乏良くないな、と思ったですよ。

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