フィルドゥスィー 『王書(シャー・ナーメ): ペルシア英雄叙事詩』

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王書(シャー・ナーメ)―ペルシア英雄叙事詩 (東洋文庫 (150))
フィルドゥスィー
平凡社
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10世紀末から11世紀初頭に書かれたペルシャの大長編英雄叙事詩……の抄訳を読む。古代から語り伝えられてきた神話や伝説を集大成したもので、なんか屈強な勇者たちが戦争ばっかりしている。ホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』も、そんな感じの男臭い話だったけれど、ホメロスのほうが策略めいていて知性を感じさせる部分が多いのに対して『シャー・ナーメ』はホントにマッチョな肉体系の戦いが多い。強いものが強く勝つ! って感じ。それもまた面白い。この抄訳では、ロスタムという英雄のエピソードを中心に編まれている。彼の描かれ方が、またスゴいんだよね。ロスタムの父親もすごいハチャメチャにすごい英雄なんだけど、その血を引き継いで、槍で象を倒すし、背丈も「星に届くぐらい」とか形容される(このスケールの大きい比喩は、本書の読みどころのひとつ)。なんかものスゴい馬にも乗ってるし、ほとんど『北斗の拳』のラオウみたい。で、そのロスタムが自分の息子と(自分の息子とは知らずに)死闘を繰り広げたり、自分の息子のように育て上げた王子を殺されたり、なんだか息子つながりで恵まれない。最強なのに、息子つながりでひどい悲しみを背負って生きているのが、渋くて良かった。君主からパワハラをされたりしてさ。こういうの読むと、やっぱりクラシックなものって良いよね、と思う。

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