武田百合子 『ことばの食卓』

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ことばの食卓 (ちくま文庫)
武田 百合子
筑摩書房
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武田泰淳は結構好きな作家で、その好きポイントは作品以上に「顔」であったりする。しかし、武田百合子が描く武田泰淳の姿、これがまたわたしの泰淳好きポイントをあげていて、本書の冒頭のエッセイ「枇杷」は、なかでもすごく良い文章だった。妻の目線で、魅力的な人物、というか、かわいい人、として描かれる武田泰淳は実に得しているように思う。食べものにまつわる記憶について綴ったエッセイで、半分は戦時中の、よくよく読めば、なんか暗くて、ちょっと怖い感じがあるんだけれども「メロウはいつも過去形」(© 松尾潔)という言葉によって、メロウ概念が拡張されたわたしには、本書もとてもメロウなものとして受け取れた。和メロウ? 夜寝る前に、こういう文章を読んでいると、とても豊かな気持ちになれる。

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