スティーヴン・シェイピン サイモン・シャッファー 『リヴァイアサンと空気ポンプ: ホッブズ、ボイル、実験的生活』

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リヴァイアサンと空気ポンプ―ホッブズ、ボイル、実験的生活―
スティーヴン・シェイピン サイモン・シャッファー
名古屋大学出版会
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1985年に発表された科学史の名著の翻訳を読む。本書は、以前に原書で読んでいたんだけれども、今回日本語で読み直してみて「俺、こんな難しい本、よく英語で読んだな……(そもそも、ちゃんと読んだのかな……?)」と思った。政治哲学者として知られるホッブズと、近代化学の祖として知られるボイルのあいだに起こった「真空論争」を中心テーマにしながら、イングランドにおける政治・社会的文脈のなかで、当時の知識人のコミュニティや知的な営みを描いている。

論争をテーマにした本、でありながら「通説ではボイルが論争に勝ったことになってるケド、実はホッブズのほうが偉かったんだ」的な論点を回避して、状況にフォーカスする。『リヴァイアサン』を自然哲学の本として捉え、なんでホッブズが強烈に真空の存在を否定していたのか、実はそこにはホッブズの政治思想が関連していて……だとか、実験哲学者のコミュニティは、王政復古時代の理想的なコミュニティのあり方だ! と自分たちをアピールしていた……だとか、科学の話が政治・社会に流れ込んでいくところが面白い。

当時行われていた実験の話だとか、読者が知ってるテイで進んでいくところがあるので、知らない名前がでてきたら丁寧にググッて読むと良いと思います。

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