ヨハン・アモス・コメニウス 『世界図絵』

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世界図絵 (平凡社ライブラリー)
J.A. コメニウス
平凡社
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17世紀に活動した教育学者、コメニウスが書いた『世界図絵』という本は、世界初の教育用百科事典と言われている。ある項目を説明した文章の傍に、文章に対応した図版が添えられており、文章とイメージを一緒に参照することによって、すこぶる学習がはかどって良いよね! 子供がこれを読んだら、すげえ賢くなるハズだ! という目論見で作られた本である。当然、17世紀の本だから、いまの子供が読んでも役に立たないであろう。コメニウスが考えた目論見は陳腐化している。

ただ、現代のモノ好きが読むとなかなか面白い部分は残っている。とくにコメニウスが項目を並べた順番は、当時のヨーロッパが世界をどのように分類して理解したのか、を示すモデルになっている、と言えるだろう。アルファベットをオノマトペと、そのオノマトペに紐づくイメージが本書ではまず提示される。文字と音とイメージが紐づけられた形で示されたあとにくる最初の項目は「神」であり、この項目から分類木のように各項目が広がっていく。つまりは、神を頂点として広がる、秩序だった世界が本書のなかで表現されているのである。

(ところで、コメニウスが考える「教育」と、現代における「教育」の意味合いも異なり、とくに世俗的な「教育」つまり、『週刊ダイヤモンド』や『AERA』で語られる「教育」とは、良い企業に勤めさせて子供に金を稼がせるために効率が良いこと、と同義であるように思う)

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