レイモン・オリヴェ 『フランス食卓史』

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フランス食卓史 (1980年)
フランス食卓史 (1980年)
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レイモン・オリヴェ
人文書院
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レイモン・オリヴェは先日ご紹介した辻静雄の『フランス料理の手帖』のなかでこんな風に紹介されている。「フランスが世界にほこるビブリオフィル」、「ただのパリの料亭の主人とはわけが違う。なにをたずねても、たちどころに答えてくれる生き字引きのような人物」、「彼の集めた料理関係の本のコレクションは恐らく世界最高のもの」。パリのレストラン「ル・グラン・ヴェフール」のオーナー兼シェフでありながら、古い料理本を蒐集していた、という文人料理人とでもいうべき人物だったようだ。

『フランス食卓史』という邦題はミスリードで、原書はもともとイギリスで1967年に『The French at Table』というタイトルで出版されている。どこにも「歴史」の文字はなく、通史的な歴史読みものを期待していると肩透かしを食らうだろう。石器時代から現代のフランス料理までを振り返る部分はあるのだが、正直、そこまで面白くない……。が、フランス料理、もといヨーロッパの料理文化の厚みについて考える上ではなかなか良い本。フランスの料理文化が一本の単純な線のように発展したのではなく、さまざまな水源から流れ出る支流があわさって大河となっていることがわかる。

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