スタニスワフ・レム 『ソラリスの陽のもとに』

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ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)
スタニスワフ・レム
早川書房
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遅めの夏期休暇をもらってロンドンに遊びに出かけていたのだが、その行きの飛行機のなかで、長いこと積ん読になっていたSFの古典を読み終えた。ほとんどSFを通過しなかった読書遍歴をもつわたしなので、この本も出会うのが遅すぎたのかもしれないが、毎度ながら(いや、そんなに数を読んでいないか……)SFの古典を読むたびに「苦手……」と思ってしまうばかりである。なんか全然楽しみ方がわからないんですよね。惑星ソラリスの研究史が続く箇所なんかは面白く読んだのだけれども、それは科学史のテクストを読んでいるのと感覚がほとんど同じであって、それなら科学史のテクストを普通に読んでいた方が楽しい、と思われてしまう。「未知の生物との接触によって、人間はあれこれ挑戦的なことをされてる感じがするが、実は未知なる生物には意図はなんか一切なかった」というお話が、人類中心主義 anthropocentrism 的なものの見方をひっくり返してしまうのも理解できる。ただ、それが語り継がれるべき不朽の衝撃力をいまも持ちえているのかどうか。『E.T.』みたいに「異星人と通じてしまった、ミラクルだね!」みたいな話って「「異星人と地球人は、コミュニケーション不可能(あるいは、コミュニケーションの基盤が違いすぎて、ほとんど無理)」という前提があるからこそ、話として成立するわけで。だから『ソラリス』を読まなくても、ここで書かれている問題提起とか思考実験的な部分ってすでにみんな通過しているような気がするんだよ。

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