2011年に観たライヴを振り返る

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  1. 読売日本交響楽団第500回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  2. Date Course Pentagon Royal Garden 菊地成孔 同一の呪法による二つの儀式 菊地成孔と菊地成孔によるダブルコンサート 巨匠ジークフェルド/菊地成孔 ダブルコンサート二日目 @新宿文化センター - 「石版!」

  3. 読売日本交響楽団第501回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  4. 山下和仁 ギター・リサイタル @紀尾井ホール - 「石版!」

  5. 大友良英&飴屋法水 @新宿PITINN - 「石版!」

  6. 読売日本交響楽団第503回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  7. 静寂 @高円寺HIGH - 「石版!」

  8. 読売日本交響楽団第504回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  9. eX.17 ジャチント・シェルシ《山羊座の歌》完全版日本初演 平山美智子を向かえて @杉並公会堂 小ホール - 「石版!」

  10. DCPRG/ALTER WAR&POLYPHONIC PEACE @リキッドルーム - 「石版!」

  11. Arto Lindsay・大友良英 @Music Duo Exchange - 「石版!」

  12. 読売日本交響楽団第505回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  13. I. S. O. @牛嶋神社(すみだ川アートプロジェクト) - 「石版!」

  14. 夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン @三軒茶屋 Hell's Bar - 「石版!」

  15. 読売日本交響楽団第506回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  16. Core of Bells + 杉本拓 インセクトタブー アニス&ラカンカ @七針 - 「石版!」

  17. Date Course Pentagon Royal Garden GAP (golden after party) @Liquidroom - 「石版!」

  18. BOZO(津上研太 Birthday Live!) @新宿ピットイン - 「石版!」

  19. サントリー サマーフェスティバル2011〈Music Today〉〈映像と音楽〉管弦楽 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  20. M.M.S. @晴れたら空に豆まいて - 「石版!」

  21. 読売日本交響楽団 第507回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  22. 菊地成孔・大友良英 デュオ @新宿ピットイン - 「石版!」

  23. 作曲家の個展2011「三輪眞弘」 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  24. 読売日本交響楽団 第508回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  25. 内田光子 & ハーゲン・クァルテット @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  26. アドリアーナ・カルカニョット来日公演 《サンバの微生物》 @よみうりホール - 「石版!」

  27. ショーロクラブ 武満徹ソングブックコンサート @めぐろパーシモンホール - 「石版!」

  28. イョラン・セルシェル《時は止まって 限りない静けさと沈黙へ》 @フィリアホール - 「石版!」

  29. 読売日本交響楽団 第509回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール - 「石版!」

  30. 渋谷毅オーケストラ @新宿ピットイン - 「石版!」


本年もお世話になりました。2011年最後のエントリとして今年の観たライヴの振り返りです。今年は3月の地震の影響で観に行けなかったライヴ、中止になった企画などがありましたがそれでも30本。良いものがたくさん観れました。





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渋谷毅オーケストラ @新宿ピットイン

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とても当たり前のことだけれど、テクニックだけが音楽ではないし、楽譜だけが音楽なわけでも、録音だけが音楽なわけでもない。しかし、さまざまな音楽の形式や様相があるなかで、今この瞬間にここでしか聴けないものに触れたのだという直観が訪れることはたしかに存在する。私が本当に大切にしたいと思う音楽は、そうした瞬間の「この音楽」、「あの音楽」であり、そうしたものどもを愛おしく、慈しみたい、と考える。この日聴いた渋谷毅オーケストラのコンサートもそのような幸福な一晩だった。





日本のジャズ黎明期を支え、児童歌謡をたくさん書き、今なお第一線で活躍するジャズ・ピアニスト、渋谷毅の功績は振り返ろうにも振り返えきれないものだろう。柔らかく、穏やかな彼のピアノの音が空間に広がったとき、ハッとするのはその軽やかなトーンについてだ。魔術的な和音の錬金術ではない、息がスッと通るような音の選び方に思わず気持ち良くなってしまう。この音にブラスが重なることで生まれるハーモニーは、もはや天国的とさえ言えるのだが、それはアッパーかつゴージャスな天国ではなく、平穏で牧歌的な天国、もうとにかく良い塩梅なので椅子のなかで溶けるのでは、と思った。





ステージにあがっているミュージャンの半分以上が60代を超えた超ベテラン。そうした光景だけだって日本のジャズの円熟なりなんなりを感じさせ趣深い気持ちになってしまう。演奏者の体力の衰えを感じさせない、というわけではない。むしろ、そうしたものが聴き手に丸わかりになってしまい、極度のユルさが発生していたのも印象的だった。しかし、それすらも良い。ソロで吹き続けられないこと、演奏が終わると座り込んでしまうこと。若いミュージシャンのコンサートならあり得ない様子で、素晴らしい音を響かせているのだから油断がならないのである。





ホントに良い気持ちになりましたよ。また聴きたい。





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2011年に読んだ本を振り返る

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  1. 村上春樹 柴田元幸『翻訳夜話』 - 「石版!」

  2. ジェロラモ・カルダーノ『わが人生の書 ルネサンス人間の数奇な生涯 』 - 「石版!」

  3. 井筒俊彦『神秘哲学 ギリシアの部』 - 「石版!」

  4. 村上春樹『村上春樹 雑文集』 - 「石版!」

  5. 朝吹真理子『きことわ』 - 「石版!」

  6. ドミニク・チータム『「くまのプーさん」を英語で読み直す』 - 「石版!」

  7. 結城浩『暗号技術入門 秘密の国のアリス』 - 「石版!」

  8. リチャード・オウヴァリー『地図で読む世界の歴史 ヒトラーと第三帝国』 - 「石版!」

  9. アリストテレス『動物誌』(上) - 「石版!」

  10. アレクサンドル・ルリヤ『偉大な記憶力の物語 ある記憶術者の精神生活』 - 「石版!」

  11. 大西英文『はじめてのラテン語』 - 「石版!」

  12. アカデミー・デュ・ヴァン監修『ワインの基礎知識』 - 「石版!」

  13. A. A. Milne 『The House At Pooh Corner』 - 「石版!」

  14. 田中清高・永尾敬子・渡辺照夫 『ワインの実践講座』 - 「石版!」

  15. 起きてから寝るまで英語表現550 海外旅行編 - 「石版!」

  16. 集英社「ラテンアメリカの文学」シリーズを読む#11 ドノソ『夜のみだらな鳥』 - 「石版!」

  17. オリヴァー・サックス 『オアハカ日誌 メキシコに広がるシダの楽園』 - 「石版!」

  18. 西成活裕 『とんでもなく役に立つ数学』 - 「石版!」

  19. トマス・ピンチョン 『スロー・ラーナー』 - 「石版!」

  20. 三村太郎 『天文学の誕生 イスラーム文化の役割 』 - 「石版!」

  21. トーベ・ヤンソン 『たのしいムーミン一家』 - 「石版!」

  22. マイケル・A・スクリーチ 『ラブレー 笑いと叡智のルネサンス』 - 「石版!」

  23. スタパ齋藤 『スタパ斎藤の物欲番長 デジタルグッズ超買いまくり紀行』 - 「石版!」

  24. 西成活裕 『無駄学』 - 「石版!」

  25. 橋口孝司 『ウイスキー銘酒事典』 - 「石版!」

  26. ニコラウス・ステノ 『プロドロムス 固体論』 - 「石版!」

  27. 石野卓球・野田努 『テクノボン』 - 「石版!」

  28. スティーヴ・D・レヴィット & スティーヴン・J・ダブナー 『ヤバい経済学』 - 「石版!」

  29. ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『七つの夜』 - 「石版!」

  30. 矢作俊彦 『スズキさんの休息と遍歴 または、かくも誇らかなるドーシーボーの騎行』 - 「石版!」

  31. 谷川健一『魔の系譜』 - 「石版!」

  32. 松田毅一 『伊達政宗の遣欧使節』 - 「石版!」

  33. プラトン 『ティマイオス』 - 「石版!」

  34. Wheelock's Latin 7th Edition - 「石版!」

  35. 柏野雄太 『Python ポケットリファレンス』 - 「石版!」

  36. 浜岡究 『はじめてのポルトガル語』 - 「石版!」

  37. 柴山潔 『コンピュータアーキテクチャの基礎』 - 「石版!」

  38. ウィリー・ヲゥーパー 『リアル・ブラジル音楽』 - 「石版!」

  39. 荒木飛呂彦 『荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論』 - 「石版!」

  40. Mark Twain 『The Adventures of Tom Sawyer』 - 「石版!」

  41. 立川談志 『人生、成り行き 談志一代記』 - 「石版!」

  42. 菊地成孔・大谷能生 『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(上) - 「石版!」

  43. ウンベルト・エーコ 『バウドリーノ』:偏差値が高いハードコア歴史おたくの手遊び - 「石版!」

  44. 『バガヴァッド・ギーター』:インドの壮大な叙事詩から、深淵なる哲学を - 「石版!」

  45. 井筒俊彦 『イスラーム文化 その根底にあるもの』:碩学による文化講義、まろやかな語り口で明晰に整理されまくるイスラームの姿 - 「石版!」

  46. 菊地成孔・大谷能生 『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(下) - 「石版!」

  47. 大友良英 他 『クロニクルFUKUSHIMA』:まだ戦争は終わっていないし、これからを考えるために - 「石版!」

  48. 野口晴哉 『整体入門』:独自の生命論にもとづく身体の解説が面白い - 「石版!」

  49. 尹伊桑/ルイーゼ・リンザー『傷ついた龍 一作曲家の人生と作品についての対話』:となりの国の大作曲家を生んだ文化とは - 「石版!」

  50. 荒俣宏 『決戦下のユートピア』:苦境のなかにも文化あり、戦争のイメージに生活の色を加える名著 - 「石版!」

  51. アポロドーロス 『ギリシア神話』:本当はこわいギリシア神話 - 「石版!」

  52. 掌田津耶乃 『新人プログラマのためのGoogle App Engineクラウド・アプリケーション開発講座 JAVA PYTHON対応』 - 「石版!」

  53. 岸本佐知子 『ねにもつタイプ』:言葉遊びと想像の迷宮へ - 「石版!」

  54. ガブリエル・ガルシア=マルケス 『百年の孤独』:4年ぶり、2度目の通読。でも最高。 - 「石版!」

  55. J. L. ボルヘス 『詩という仕事について』 - 「石版!」

  56. 綿矢りさ 『夢を与える』 - 「石版!」

  57. 小澤征爾×村上春樹 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』 - 「石版!」


引き続き、今年読んだ本を振り返ります。57冊。今年は英語の本を読むようにしたり、ラテン語の勉強を始めたりしたのであんまり数が読めてないのかな~、と思いきや、去年よりも数は読んでいました。こうしてみるとリストから社会学の本が消え、代わりに思想史関連の本が入り込んでいて、自分の興味がまったく変わってしまったことよくわかります。また小説をあまり読まなくなりましたね。村上春樹の『東京奇譚集』の登場人物ではないですが、フィクションには当たり外れがあっても、ノンフィクションではそこまで外れが無いし、何らかの事実を知識として得られることが良いです。小説も歴史も物語として読んでいるところがあるので、読んでいるものが変わっていない、とも言えるのですが。





以下にいくつか得に印象的だった本をあげておきます。






魔の系譜 (講談社学術文庫 (661))
谷川 健一
講談社
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諸星大二郎に多くの元ネタを提供している民俗学者、谷川健一の代表作。タイトルどおり日本における「魔」についての信仰を記述したものですが、日本に古来より伝わってきた幻想的な歴史記述がとても面白く、マジックリアリズムさえ感じさせる歴史書です。こうした日本の精神史も面白いなあ、と思った次第。






伊達政宗の遣欧使節
伊達政宗の遣欧使節
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松田 毅一
新人物往来社
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これもまた日本の歴史についての本です。伊達政宗がヨーロッパに送った使節団の真相について記述した本。日本がヨーロッパと出会うことによって南蛮文化が生まれたことは中学生でも知っていることですが、この折衷主義というかマージナルなものが急に面白く感じられてきました。本書には「南蛮」から見た当時の日本の姿もあり、興味深かったです。





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2011年に買った新譜を振り返る

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  1. リッカルド・シャイー/J.S.バッハ《クリスマス・オラトリオ》 - 「石版!」

  2. 松平敬/トマス・タリス:40声のモテット《スペム・イン・アリウム》 - 「石版!」

  3. Alexandre Tharaud plays Scarlatti - 「石版!」

  4. 細川俊夫/フルート作品集 - 「石版!」

  5. OORUTAICHI/Cosmic Coco, Singing for a Billion Imu's Hearty Pi - 「石版!」

  6. OBA MASAHIRO/Still Life - 「石版!」

  7. 大滝詠一/ロング・バケイション(30th Edition) - 「石版!」

  8. 砂原良徳/liminal - 「石版!」

  9. 細野晴臣/HoSoNoVa - 「石版!」

  10. Steve Reich/2x5 Remixed - 「石版!」

  11. ZAZEN BOYS/赤とんぼ・東京節 - 「石版!」

  12. 庄司紗矢香/Bach & Reger: Works for solo violin - 「石版!」

  13. BATTLES/Gloss Drop - 「石版!」

  14. Caetano Veloso/MTV Ao Vivo Caetano Zii & Zie - 「石版!」

  15. Thurston Moore/Demolished Thoughts - 「石版!」

  16. Samalea & Kabusacki/Al Limite Del Mondo - 「石版!」

  17. Fernando Kabusacki/Luck - 「石版!」

  18. 面影ラッキーホール/typical affair - 「石版!」

  19. Adriana Calcanhotto/O Microbio do Samba - 「石版!」

  20. Caetano Veloso e Maria Gad�/Multishow Ao Vivo - 「石版!」

  21. Domenico/Cine Privê - 「石版!」

  22. Otomo Yoshihide Quartet/Donaueschinger Musiktage 2005 - 「石版!」

  23. Iceage/New Brigade - 「石版!」

  24. Qluster/Fragen - 「石版!」

  25. 山下達郎/Ray Of Hope - 「石版!」

  26. 大友良英/大友良英サウンドトラックス vol.1 NHK 向田邦子ドラマ「胡桃の部屋」 - 「石版!」

  27. Choro Club with Vocalistas/Takemitsu Songbook:極上に柔らかいアレンジで聴く武満のメロディ、そして言葉 - 「石版!」

  28. Steve Reich/WTC 9/11:ライヒ生誕75周年で大ネタを - 「石版!」

  29. Milton Nascimento/ANOS 2000:旧譜についてもご紹介 - 「石版!」

  30. Mário Eugênio/Contramão:ブラジリアン7弦ギター、超絶技巧によるジャンルの超越 - 「石版!」

  31. ケント・ナガノ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団:ブルックナー《交響曲第7番》:ブルックナーの豊穣を最新録音で - 「石版!」

  32. Wilco/The Whole Love:オルタナ・カントリーから次のステージへ - 「石版!」

  33. Hilary Hahn & Valentina Lisitsa/Ives: Four Sonatas:アメリカの実験音楽のパイオニアがアウトサイダー・ミュージックだったことを明かす楽曲群 - 「石版!」

  34. Maria Rita/Elo:硬質なサウンドとヴォーカルの力強さがすげー良いです - 「石版!」

  35. Lou Reed & Metallica/Lulu:どうしてこんな問題作が? どうして僕はこんなところに? - 「石版!」

  36. 松田美緒/Compás del Sur - 「石版!」

  37. 坂本慎太郎/幻とのつきあい方:地面から15センチ浮いてる感じ、良いですよこれは - 「石版!」

  38. Marisa Monte/O QUE VOCE QUER SABER DE VERDADE - 「石版!」

  39. yanokami / 遠くは近い - 「石版!」





今年もいっぱいCDを買いましたが、新譜については以上の39枚。たぶん過去最多枚数ですが今年はブラジルものにハマってしまい、ディスクユニオンの新譜情報にがっつり踊らされてた、というのが影響しているのでしょう。そんななか今年最も印象的だったものとして、こちらのアルバムを挙げさせていただきます。



武満徹ソングブック
武満徹ソングブック
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ショーロクラブ with ヴォーカリスタス
SONG X JAZZ Inc,. (2011-08-31)
売り上げランキング: 5337



9月にパリ旅行から帰ってくる飛行機のなかでこのアルバムを聴き、日本語の響きがとても柔らかく、優しく聞こえたことが記憶に残っています。言葉の響きがバンドリン、ギター、ベースの室内的な響きと調和して、今年の気分によく馴染んだような気もします。毎年10万枚ぐらい売れて欲しい大名盤。日本で活躍する素晴らしい歌手たちとめぐり会える一枚でしたし、コンサートも素晴らしかったです。





上記にあげたリストを眺めていると、今年買った新譜はどれも印象的なものが多い気がします。意外と暇だったのかな、普段よりじっくりと音楽を聴いていた気さえする。流れる時間の感覚はとっても速かったけれど、引き続き素敵な音楽とともに生活がしたいと思います。もちろん、そうした喜びを享受できる幸福を確認しながら。





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荒木飛呂彦 『ジョジョリオン』#1

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ジョジョリオン 1 (ジャンプコミックス)
荒木 飛呂彦
集英社 (2011-12-19)



『ジョジョの奇妙な冒険』第8部「ジョジョリオン」の舞台は第4部の舞台となった杜王町。だが、第7部の「スティール・ボール・ラン」と同様に第6部以前の物語とはパラレルな世界での話となる。





第6部のクライマックスで「世界が一周し」、第7部では複数次元の平行世界を行き来するなど、ジョルダーノ・ブルーノ的(主人公の武器が無限の回転!)というか、量子論的というか、とにかく大変なことになっている、としか言いようがない世界でストーリーが展開されてきた。第8部の冒頭では、「3月11日」に大地震が起きたことが示される。杜王町(宮城県仙台市青葉区がモデルとなっている)の地面は隆起し、奇妙な「壁」が現れる。この壁については、今のところ、善悪の評価がされていないが、第8部の舞台が物語外の現実と密接な平行世界であることが示される。





第7部の途中から『ジョジョ』は月刊連載に変わり、振り返ってみれば変更直後は物語のペースと刊行ペースとの足並みが揃わない感じで緊迫感にかけた展開が続いていたように思う。それが終盤、密度と緊迫感、そして設定の難易度がどんどん高まっていき、以前の荒木飛呂彦のパワーへと完全に復調して最後を迎えた。そして、この第8部では完全復調状態のまま謎の多い物語の冒頭を駆け抜けている。第7部での移動しながらの闘いという新しい試みから、第4部で描かれた密室での闘いへの回帰も「やっぱり、荒木飛呂彦はこれなんじゃないか」と思わせるものだ。





主人公のスタンド使いが、トマス・ピンチョンに似ていること。荒木飛呂彦がどうやら「テンドン」という古典的な喜劇の手法を覚えたらしいこと。気になる点は盛りだくさんだが、新しい物語が始まったこと、それがとても面白いことが嬉しくて仕方ない。早く続きが読みたいィィィッ!





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首都を歩こう《Tokyo Walkers》第2回(沢井 - 奥多摩)

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流浪の散歩サークル《Tokyo Walkers》*1の第2回イベントが2011年12月17日に開催されました。今回は、青梅線の沢井駅から奥多摩までを歩く山攻めのコースです。雲ひとつない快晴のなか午前11時から歩き始めました。




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国道411号にでるとすぐに澤乃井の酒造工場があります。大きなタンクがいくつもあって、あたりには日本酒の香りが漂う。いきなり寄り道したくなる気持ちを抑えて道を進みます。





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道中は特別なサムシングがあるわけでもなく、ただ左手に多摩川が流れ、ああ、山だな、川だな、こういうところで生活している人もいるのだな、と思っているうちに次の駅の御岳につきました。





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このあたりから歩道がなくなって山感が増してきます。





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川井駅近くの電チラポイント(電車がチラッと見えるポイント)。





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渓谷を渡る巨大な橋。絶景です。





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この日はたくさんの市民ランナーの方に追い抜かされたり、すれ違ったりしました。青梅マラソンのコースになっているからなのでしょうか。どこから走ってきているのかわかりませんが、すごくストイックな感じ。





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良い時間になってきたので、休憩。かわい寿司さんはお寿司屋さんなのに、店の外に出してあるメニューには「とんかつ定食」、「海老フライ定食」、「かきフライ定食」など定食屋さん感を全面に打ち出した記載があり、これはちょっとアレな店か……?(喫茶店なのに、うどんがメニューに書いてある系の)と心配になりました。私はえびフライ定食を注文。出てきたものを見て驚愕。15センチはあろうかという海老が3本、千切りキャベツのうえに鎮座ましまし、それにあら汁と小付がついてくる超ヴォリューム。フライはサクサクで、良い意味で期待を裏切るクオリティ。なのに980円と心配になってくる価格設定。食後はコーヒーもでてくる! お寿司さんなのに。





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近所にあればちょいちょい行きたくなるようなお店でした。お店の人もとても良い人。ビールも飲んじゃったりなんかして、たっぷり休憩し、また歩き始めました。





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歩道もなくなってしまい、車に気をつけながら長く、緩やかな坂道を上ります。





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途中でみつかった謎の廃屋。こういう建物がいくつか点在していて、なんとも言えない気持ちになります。なかからチェーンソーをもった殺人鬼がでてきてもおかしくない感じ。





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見慣れないコンビニらしきお店もまた趣深し。





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ダムを発見しました。白丸ダムというダムらしい。無類のダム好きであるメンバーが突入し、それに続けといわんばかりにダム撮影会がはじまります。





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変色したコンクリート、錆び付いた金属、なによりもその巨大さ。こうした要素が愛ダム心をくすぐります。





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体力的な都合により、待機部隊としてひとり残ったメンバー。まるで天狗。





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ダムから3キロほど歩き、本日の目的のひとつとして設定していた温泉に到着。湯船にゆっくりと浸かって、足の疲れをほぐしました。寒いなか歩いていたせいか、足よりも肩に疲れがきていた気がします。歩いていて肩こりってなんか変。





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湯上がりにはもちろんビールを飲んで、奥多摩まで歩いて帰りました。この日歩いたのは約12キロ。初回3人でスタートしたイベントも、いきなり8人に増えました。次回は2月ごろ、下町を歩いてもんじゃを食べたりするイベントになりそうです。職業・経歴・年齢などを問いません、普段は歩かないところを歩きながら和やかに会話したりすることに興味がある方、Facebookでメンバー募集をおこなっています。各イベントへの参加は都度任意ですのでお気軽にグループ参加申請を出してみてください。






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小澤征爾×村上春樹 『小澤征爾さんと、音楽について話をする』

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小澤征爾さんと、音楽について話をする
小澤 征爾 村上 春樹
新潮社
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タイトルをみかけて、著者の部分を確認すると「小澤征爾×村上春樹」とある。このふたりの組み合わせに驚いた人も多いだろう。かたや日本を代表する世界的指揮者であり、かたや日本を代表する作家、である。豪華過ぎるほど豪華な組み合わせと言っても何らおかしくはないのだが、ただ個人的には「小澤征爾の熱心なファンってどれぐらいいるんだろうな」というのが率直な印象だった。とくに熱心なクラシック・ファンにおいては、アンチ小澤派もいると思うし、なかには「なぜ、あんなに評価されているかわからない。あんなものに騙されている日本の聴衆は本当にレベルが低い」という強烈な意見を持つ人もいると思う(その評価はもてはやされ方が気に食わない、という音楽的な内容とはまるで関係がないことに所以することもある)。周りを見回しても「小澤ファン」を自称する人は見当たらないし、一体誰が評価しているのか、とも思ってしまう。私の家にも小澤指揮のCDは2枚しかない。



メシアン:トゥーランガリラ交響曲
小澤征爾
BMG JAPAN (2007-11-07)
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ラヴェル:クープランの墓
水戸室内管弦楽団 小澤征爾
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント (1997-05-25)
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どちらも昔よく聴いたアルバムだ。メシアンのほうは今ではもっと録音・演奏ともに優れたものがあるけれど、水戸室内管との《クープランの墓》は同曲のベストと録音といっても良いブリリアントな演奏(オーボエの宮本文昭の音色が珠玉)。あと、長野オリンピックのときに出た世界の国家のアルバム、あれを友人に借りて聴いたっけ……ということを思い出す。




ひとりのクラシック愛好家として、小澤征爾の立ち位置について考えるたらこんなことが思い浮かんだ。もしもベートーヴェンやブラームスを小澤で聴きたいか、と問われたら。彼が振るオーケストラがたとえサイトウ・キネンであっても「別に……」と答える気がする。「チケット、タダなんだけど」と言われたら喜んで飛びついちゃうけれども、録音で聴くなら特別な出会いでも無いかぎり食指が動かないだろう。オーソドックスな名曲にはそれだけの名演があるわけで、人生の限られた時間のなかではなかなか小澤征爾の演奏が入り込んでくる余地はない。入り込むには衝撃的なほど際立った個性が必要だ。それはある意味、玄人好みの指揮者、ということでもあるかもしれず、小澤征爾の指揮の素晴らしさについて他人が納得がいくように説明できる人は、豊かな音楽的耳を持ち、言葉も豊かな人だと考えられる。




日本で最も世界的に活躍する指揮者って、そんな人なんですよ(テレビで小澤がウィーン・フィルの音楽監督になった~、とか、ニューイヤー・コンサートを振った~、とか、癌になった~、とか、復活した~、とか、また休んでる~、とかのニュースを見て『へえ~、この人はさぞかし素晴らしい人なんだろうな~』と思っている方々に向けて伝えるならば)。ただし、現金なもので、癌による休養以降小澤征爾に対するクラシック・ファンの目線とは温かいものになっていると思う。まず「小澤なんてさ」と声に出して言う人はすごく少なくなったと感じるし。それほど好きでもなかった人たちまでなんとなく心配になって、早く良くなって欲しいね、と願っているような状況である。




もちろん、病人に対して「もっと悪くなれ!」と願う人はなかなか見つからない。でも、なにか小澤征爾だからこんなに「早く良くなって欲しいね」と思われるのかもしれないな、とも感じるのだから不思議な人だ。




学生時代に、東京文化会館でウィーン・フィルのオペラ公演の楽器搬入をするアルバイトをしたことがある。そのとき、私は小澤征爾が楽屋から出てきたのがちょっとだけ見れたのだった。黒い半袖のTシャツを着て、髪の毛はもじゃもじゃで「うわ~、世界のオザワだよ~」という風に一瞬感動したが、その瞬間の私は総額ン億円ぐらいはするであろうウィーン・フィルのメンバーのヴァイオリンが入った箱を運んでいるところであり、それどころではなかったのだ。それでも、ふらふらっ、と現れてスタッフとなにか話している世界のオザワの姿は強烈に記憶に焼き付いていて、思い返したらそうした不思議な印象と、小澤征爾という人間の印象はどこかでリンクしているのかもしれないな、と思う。




本の話を書こうと思ったのに思いがけず長くなってしまった。本を読んでいて、まず惹きつけられるのは、小澤が語る、バーンスタインやカラヤンといった20世紀後半を代表する指揮者や、さまざまな音楽家との交流についてだ。これは純粋に「逸話集」として貴重な記録となっていると思う。そこにはグレン・グールドや、カルロス・クライバーの話もある。もう亡くなってしまった人ばかりかもしれないけれど、素晴らしい音楽家たちとの思い出がいっぱいに詰まっている。あんな人とも……こんな人とも……。考えてみれば、あの時代にクラシック音楽の世界で活躍していたら、そうした交流が生まれるのは当たり前だ。でも、小澤の他にはいない。そうした意味で、なにか小澤に対する有り難みが増したような気もする。




聴き手である村上春樹による言葉は、時折多弁すぎる箇所がある。とくにマーラーの音楽について語っている部分での、マーラーの音楽の雑多さや多層性に関する言及は、渡辺裕の『マーラーと世紀末ウィーン』を語りなおしているかのようで冗長に感じてしまった。



マーラーと世紀末ウィーン (岩波現代文庫)
渡辺 裕
岩波書店
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しかし、『アンダーグラウンド』でみせた優れた聴き手、優れた媒介者としての振る舞い方は本書でも充分に発揮されている、と言えるだろう。小澤征爾のあまりに音楽的な言葉を、音楽的な言葉ではない言葉へと置き換える手腕が素晴らしい。音楽は、言語とは違った《言語》であって、本来翻訳が不可能なものである。もしも音楽を言葉で伝えるようとするならば、それは抽象的な表現にならざるをえない。そして、その抽象的な表現は音楽をやっているものでなければ肉体的な感覚として理解できないもの、とも言える。もっと情熱的な音、もっと柔らかい音、もっとブリリアントな音を……! という要求に対して、本当に応えられるのはその楽器を演奏している演奏家だけであって、非音楽的な聴き手は「情熱的な音とはこういう音だ」と指摘するような批評によって、音楽と言葉をマッピングしなければ理解ができない。ここで村上春樹がおこなっているのは、まさしく非音楽的な聴き手のための地図を作ることだ。村上春樹自身は非音楽的な人間であるにも関わらず、それが可能となっているのは暗喩の力、イメージの豊かさなのだろう。




高校時代から10年近くアマチュアのオーケストラで演奏活動をしていた身として、村上春樹の筆致で翻訳されたオーケストラの内部の話は、そうしたオーケストラ活動での肉体的な感覚を生々しく思い出させるものだった。そのハイライトとなるのは2011年の夏におこなわれた「小澤征爾スイス国際音楽アカデミー」のルポルタージュ的文章だろう。これは音楽が作り上げられていくプロセスを捉えた感動的な文章だった。ずっと苦労していたもの、できなかったこと、乗り越えられなかった壁が、練習の過程でいきなりできあがってしまう。音楽がいきなり何倍もの豊かさで響き始める、その瞬間の奇跡にも思える様子が劇的に描かれている。そのリアリティを私は知っている(とクソアマチュアのくせに、勝手に思っている)。また音楽をやりたい、誰かと一緒に楽器を演奏したい、という気持ちに引火してしまう。あくまで個人的な感傷と印象なのかもしれない。でも、こうした気持ちになったことで、音楽をやっていて良かったな、とも思うのだった。




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yanokami / 遠くは近い

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遠くは近い
遠くは近い
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yanokami
ヤマハミュージックコミュニケーションズ (2011-12-14)
売り上げランキング: 157



レイ・ハラカミ急逝のニュースは衝撃というよりも、あまりにも呆気なく、そして静かに人が亡くなっていくその事実を伝えるもので、くるりの「ばらの花」のリミックス音源を聴きながら、そうかあ……と思い耽ることしかできずにいた。個人的な親交があったわけでも、熱心なファンであったわけでもない。急に亡くなったから、そこで急に態度を変えて慈しみはじめるのもなんだか違うような気がするし、結局、yanokamiの新譜を買ったのもたまたま聴いていたラジオで「Don't Speculate」が耳に入り、なんだか素晴らしい音楽であるな~、と思ったただそれだけの理由である。





荒井由実、オフコース、坂本龍一 & デイヴィッド・シルヴィアン、ローリング・ストーンズのカヴァーは、どれもほとんど脱構築的と言っていい解釈によってほとんど原曲がわからない形に変形される。残っているのは、具体的には言葉だけで、それが特別に印象的なのはオフコースの「Yes Yes Yes」だった。言葉は小田和正なのに音楽は矢野顕子とレイ・ハラカミのものとして完全に血肉化されてしまっている、というか。以前に矢野顕子による「ばらの花」を聴いたときにも感じた衝撃がここでも繰り返される。まるで楽曲が一端極度に抽象化されて理解され、再度別な音楽へと作り変えられるダイナミックなプロセスがまじまじと見せつけられるようだ。矢野顕子の頭のなかってどうなっているの、と問わずにはいられなくなる。





このあまりに自由な感性が踊る場を与えているのがレイ・ハラカミの柔らかいトラックだったのだな。





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綿矢りさ 『夢を与える』

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夢を与える
夢を与える
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綿矢 りさ
河出書房新社
売り上げランキング: 26944



綿矢りさの凶悪さとは、笑顔で近づきながらみぞおちあたりをナイフで刺されるような恐ろしさであって以前『蹴りたい背中』を読んだときも、もはや振り返りたくもない思春期の自意識過剰っぷりについて掘り返されてしまい「ライフはゼロよっ!」というクリシェでもってその痛さをお伝えしたくなった。その凶悪さは『夢を与える』において、とことんチープな「美少女主人公の成り上がりから転落へ」というストーリーで発揮される。狙っているのか、天然なのかよくわからない表現の稚拙さは、その痛さのクスグリなのか、地の文と主人公の意識の流れがリニアに接続され、視点がぼやける最中、なんとか読み続けられるギリギリのバランス感でもって破綻が予告され、緩やかにページのめくる手を駆動させる。この筆致を作家が意識をもって統御しているのだとしたら、間違いなく綿矢りさは天才だと思うし、無意識なら大天才、と言ったところ。現代的な心象を文学的に描くものではなく、とてもありふれた心象を風俗を描くようにして綴る作家として、優れた作品を世に送り出しているなあ……と思われました。





正直なところ、大きな物語のなかに盛り込まれたひとつひとつのシーケンスはやや散漫であまり効果的な感じには思われません。これって結局なんだったの? これによって何か物語に変化がおこったの? とひとつひとつ首をかしげたいほどです(それゆえ、物語がすごくダルい感じになっている)。端的に言ってしまえば、「与えられた期待」と「本当に自分がやりたいこと」が見事にコンフリクトを起こした結果の暴走、そして破綻、というお話でしかない。「なんだよ、結局自分探し小説かよ」とため息をつきたくなる感じではあるのですが、ここまでひどく、チープな破綻は、そのチープさによって現代的に輝く。今や芸能人でなくとも、誰もがソーシャルな力によって私刑を受ける可能性がある世の中です。その不気味さや嫌らしさを本作は予言しているのでは、とさえ思われます。





しかし、本当に嫌な部分は、破綻まで進んでいくところよりも、実は栄光を手に入れるまでの道のりではないか、とも思うのですね。とくに嫌なのは、主人公が家庭のトラブルによって「もう自分にはいくところがない(誰からも必要されていないのではないか)」という不安(これも安いっ!)に陥る箇所で差し伸べられる、クラスメートの素朴な男子からの手です。このシーケンスは絶望のなかで振り返られ、さらに主人公の絶望を煽る、という伏線になりますが、そこで描かれる淡い好意は『耳すま』的な小っ恥ずかしさであり、脳内で月島雫がタランテラを踊りそうな具合でした。身悶えするような自然讃歌や人工物への批判的な態度もまた少しずつライフを削っていく。もう最高です。「あえて」とか、そういうキャンプな態度でなく、綿矢りさの作品を今後も読みたいと思いました。ライフを削られるために読む小説があっても良いじゃない……。





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日本絵画のひみつ @神戸市立博物館

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神戸にいく用事があったため、そのついでに神戸市立博物館に立ち寄りました。この博物館には内部に「日本において製作された異国趣味美術品」を蒐集した池長孟という大人物のコレクションを収蔵している南蛮美術館が存在する施設です。先日の「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎 @サントリー美術館」で展示されていた作品のなかにはこの美術館から貸し出されたものが多くあります。この日はサントリー美術館で出会ったエキゾチックな作品群と再会し、改めてその不思議な魅力を再確認できました。





この日の特別展は「日本絵画のひみつ」。伺ったのがちょうど初日、とまるで自分を待ってくれていたかのようなめぐりあわせですが、世間的にこの手のジャンルが人気なわけではないせいか会場はガラガラ。おかげでサントリー美術館ではじっくり観ることのできなかった南蛮屏風の細部も確認できて良かったです。日本画に使用された顔料や、画家が模写を先達の作品を模写することで伝わっていく手法やそこからわかる影響関係がこの展覧会における「ひみつ」とされているようです。《模写》というテーマでは狩野探幽が原本であるという「南蛮人交易図屏風」の様々な粉本(模写したもの)が展示されていて、とても興味深かったです。原本の存在は現在確認されていないのですが、右から左へと物語のような流れを感じさせるユニークな図柄は多くの画家によって模写された理由を納得させるものです。





今回の新しい収穫としては、秋田蘭画との出会いがひとつ挙げられます。秋田蘭画は18世紀後半の秋田藩藩主、佐竹曙山とその家臣であった小田野直武によって隆盛した西洋絵画の影響を多大に受けた写実的な日本画の流派だそうです。お殿様でありながら平賀源内を招いたり、自身もセンス爆発な絵を描いていた佐竹諸山は「秋田のルドルフ2世」とでも言うべき人物だったかもしれません。くっきりとしたコントラストで描かれた鳥や花は、今で言えばほとんどインテリア絵画的なセンスなのですが、それが掛け軸になると異様なクールネスを放って見えます。また小田野直武が杉田玄白らによる有名な『解体新書』の扉を書いている、という事実も興味深かったです。秋田蘭画とはまた別に、ほとんど同時代の洋風画家、石川大浪はオランダ語の本の図版を多く模写しているます。これもカッコ良かったです。





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先週の土曜日に東京モーターショーにいっていたのだった

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目当ては未来の車椅子アタッチメント、WHILL。あまりに未来っぽいデザインに惚れ込んでしまい、これに幾ばくかのお金を寄付していたのだった。そしたら東京モーターショーの招待券をいただけたのだよね。WHILLの展示は単に実機が置いてあるだけで、それに乗れるわけでも、キャンギャルがいるわけでもない。どこに展示があるかも探さないとわからないくらい質素なものだったけれど、やっぱり実機は素敵な未来感を醸し出していて良かったですよ。













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最近聴いてるブラジル音楽

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Fina Estampa
Fina Estampa
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Caetano Veloso Caetano Veloso
Polygram Records (1994-10-11)
売り上げランキング: 70935



いろいろ本業などがアレな感じであり、最近は週に一度のディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館通いもままならない感じであるのだが、そうはいってもタイミングを見計らって中古盤屋にCDを買いにいったりしているわけで。そこで気がついたのは、ブラジルモノのメジャーな名盤は新宿よりも、渋谷ジャズ&レア・グルーヴ館(どうよ、このネーミング)のほうが安い、という事実であって、もちろんものによるんでしょうけれど、カエターノ・ヴェローゾの2作目のアルバム『Alegria, Alegria』(新宿だと2500円ぐらいする!)が900円で買えてしまうのだから、笑いが止まらないですよ、ゲヘへ。ただ、ふと気がつくのは初期カエターノは実は個人的にいまいちピンとこずに、この時期のトロピカリアであったらジルベルト・ジルのほうが好きだったり、カエターノの曲を歌ってるムタンチスのほうが良いな、と思ってたりする。





結局、私が好きなカエターノって80年代末からアート・リンゼイをプロデュースに迎え、音はモダンなピカピカした音に、声は艶っぽくとにかくエロく、しかしまったく媚びずにひたすらカッコ良く、完全にエロジジイ感全開で活動している頃のアルバムなのですね。『Alegria, Alegria』と一緒に買った『Fina Estampa(邦題:粋な男)』もそうした路線上にいるアルバムで、自叙伝的、と言いましょうか、カエターノ御大が影響を受けた楽曲をカヴァーした内容となっている。これがまた艶やかでねえ……。今のカエターノは一旦ちょっと枯れて、枯れながらもオルタナに向かうところが驚異的なんですけれど、当時52歳で明らかに一番脂が乗っているオーラを醸し出しているのですよね。これはちょっとクラシカルな年の取り方だと思う。






D





まさに粋な男っ! って感じですね。このイキフンが好きならば以下の3作はマストバイ。このうち2枚は確実に新宿ラテン・ブラジル館に在庫があると思うので週末に新宿にダッシュだ!



Estrangeiro
Estrangeiro
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Caetano Veloso
Universal Import (2000-06-12)
売り上げランキング: 421869




Circulado
Circulado
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Caetano Veloso
Universal Brazil (2003-09-30)
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Livro
Livro
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Caetano Veloso
Nonesuch (1999-06-01)
売り上げランキング: 101177







カフェ・ブラジル
カフェ・ブラジル
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エポカ・ヂ・オウロ ジョアン・ボスコ アデミルデ・フォンセカ マリーザ・モンチ パウリーニョ・ダ・ヴィオラ マルティーニョ・ダ・ヴィラ レイラ・ピニェイロ
ワーナーミュージック・ジャパン (2001-07-25)
売り上げランキング: 70314



で、先日もご紹介しましたショーロのコンピレーション・アルバム『Cafe Brasil』(どうよ、このタイトル!)も素晴らしいコンピレーションでありまして、ショーロ畑のアーティスト以外にもブラジルの有名ミュージシャンが参加しているのでどの曲聴いても「だんじゃ!?(福島弁で『誰だ!?』の意)」と虚空に向かって問いたくなるんですよね。そのなかでも特にマルチーニョ・ダ・ヴィラという歌手の声に惹かれました。現在、1938年生まれ、現在73歳で「サンバの巨人」と呼ばれる大歌手だそうです。『Cafe Brasil』では非常に哀愁を漂わせた歌声を聴かせてくれるのですが、1974年の『Canta Canta, Minha Gente(邦題:サンバを歌おう)』ではものすごい良い塩梅の、底抜けに楽しい音楽が展開され、思わず顔がほころびます。この人、70年代にサンバ復興に火をつけたキー・パーソンなんだって。これを聴くとボッサとサンバの連続性が見えてきたりしてちょっと面白い。



Canta Canta Minha Gente
Canta Canta Minha Gente
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Martinho Da Vila
Bmg Int'l (2004-07-20)
売り上げランキング: 1143367







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Music Typewriter
Music Typewriter
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Moreno + 2
Luaka Bop (2005-06-28)
売り上げランキング: 170701



あと先日来日していたモレーノ・ヴェローゾ(カエターノの息子)のアルバムも聴いていました。来日ライヴは予定が合わず観られませんでしたが、カエターノの素晴らしい遺伝子がモレーノの声帯に宿っていることが実感できるアルバムです。顔はあんまり似てないんだけれども。ただの2世タレントではないですし、近年のカエターノの若返り戦略には確実に息子の影響があるんだなあ、と思いました。来年の頭にでるガル・コスタのアルバムでは、親子で共同プロデュースしているそうですから、お年玉の使い道はもう決まった、と言って良いでしょう。






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