スキップしてメイン コンテンツに移動

パリへ #1



R0011168





長い休みがとれそうな雰囲気だったので2年連続2度目のハネムーン気分で妻と一緒にパリへ向かった。利用したのはH.I.Sの約16万円、ホテルで4泊、実質4日間の自由時間、という格安パック旅行。飛行機が中国南方航空だと知ってからの事前調査では悪評しかでてこなかったので不安になったが、そこはまったく問題なかった。中国人のCAさんの態度についてはたしかに日本のCAさんみたいにニコニコはしていないのだが、特別なにか問題があったわけではない。ムッツリした顔でやや雑なサービスも慣れれば、チャーミングに思えてくる。飛行機も普通。







R0011170





広州の空港で乗り継ぎ。





R0011174





R0011179





喫茶店の店員さん(やっぱりサービスはちょっと乱暴)はみんな少女時代みたいでかわいい。





R0011201





シャルル・ド・ゴール空港には朝9時頃についた。日本をでたのは16時ぐらい。





R0011204





R0011212





R0011221





あらゆるものがカッコ良く見えて、すっかり舞い上がってしまいシャッターを切りまくる。





R0011224





R0011232





R0011237





空港でドライバーと落ち合い(英語ドライバーのはずが、日本語ペラペラ)、VWのゴツい四駆(屈強な男性が3人ぐらい後部座席にのって女性を拉致監禁してそうな車)に載ってホテルへ。高速道路はやや渋滞していたが、車線変更がすごい激しくておっかなかった。100キロぐらいで1.5台分ぐらいの車間距離にどんどん割り込んでいく。





R0011243





ホテル近辺。パリ郊外で中心部へはメトロで30分ぐらいのところ。治安は見た目的にも良いとは言えず、朝から道端でビールを飲んでいる白人男性(たぶん失業者)や背の大きい黒人男性が無条件で怖い。





R0011251





R0011253





R0011261





エッフェル塔。周辺には土産物を売っている黒人がたくさんいる。そのへんの事情はイタリアと変わらないと思ったが、イタリアほどあたりが強くない。みんな全然やる気がない。売ってる品物は、エッフェル塔のキーホルダーとか。お土産屋さんよりも安かったりする。





R0011277





R0011283





R0011484





R0011504





R0011587





路駐されている車ではミニだの2CVだの500だの、小型自動車の名車が停まっているのが目に入る。いろんな旧車をみんなキレイに乗っている。この日はエッフェル塔(行列が嫌だったのでのぼらなかった)から少し歩いたところにあったカフェでお昼を食べる。妻はモーニング・セットみたいなもの(11ユーロ、クロワッサンにオレンジ・ジュース、コーヒーまたはショコラ・ショー)を、私はステーキ(12.9ユーロ、山盛りのフライドポテトとパンつき)とグラスでボルドー(5ユーロ)を。ポテトが異様に甘くてデザートみたいに美味しい。ポテトなど頼まないし、唾棄すべきジャンクフードだと思っているが、食べ尽くす。驚くべきことにどの店でもポテトが美味しいかった。日本でこんなポテトをだされたら、平均寿命が5歳ほど短くなり、高齢化にともなう社会問題がちょっとソフトになるのではないか。





R0011285





よくわからないが謎の平和っぽいモニュメント。この日は平和関係のイベントみたいなものをやっていたが、客がまったくいなかった。この付近には戦争で活躍した陸軍の偉い人たちをまつった通りなどもあり、平和への願いと戦勝国であるという主張が混在している印象。





R0011291





R0011294





コイツら全員、陸軍元帥的な人たち。





R0011299





なんの行列かと思ったら、学校で、お母さんが自分の子どもを迎えにきているところだった。





R0011308





いたるところに公園があり、疲れたら一休みできる。が、いたるところがネコ臭い。しかし、パリでは結局一匹もネコの姿を見ることはなかった(犬はたくさん見た)。土産物売りの黒人男性が夜になるとネコに変化して、いたるところに排泄している可能性がある。





R0011312





R0011313





ボン・マルシェ(パリの老舗デパート)。魅惑のブロードウェイ感に溢れている。





R0011316





R0011317





R0011318





R0011319





なんの因果であろうか、ボン・マルシェの地下ではブライアン・フェリーの回顧展らしきものが開催されていた。写真パネルの展示とともに、PVがプロジェクターに映し出され、轟音でブライアン・フェリー先生の音楽が流れている。パリが自分をトーキョー・ジョーとして迎えいれている、と思うことにした。





R0011333





R0011338





R0011340





R0011341





R0011345





ドゥ・マゴで休憩。大儀見元そっくりのギャルソンがいて半笑いになりながら、ジョイスやヘミングウェイに思いを馳せる。もはやここで作家が原稿を書く日などないであろう。





R0011346





R0011353





R0011354





サン・ジェルマン・デュ・プレ教会内部(ドゥ・マゴの目の前にある)。パリの教会はコンサート会場になることが多いみたいで、この日もコンサートの設営をおこなっていた(厳粛なムードなし)。どの教会にも第二次世界大戦時のレジスタンスに参加して亡くなった人たちや、第一次世界大戦時の少年兵(? フランス語の字面から推測したので自信無し)の名前がパネルになって飾ってあった。





R0011368





R0011369





R0011380





R0011379





R0011387





サン・シュルピス教会。新古典主義建築の萌芽ともなったパリで2番目に大きな教会とのこと。だが、内部にはいったときの「すげぇ」感はイタリア各所の教会に及ばない、という感想で妻と一致。なんか全体的に大味な印象がある。





R0011395





R0011397





R0011399





R0011405





R0011407





リュクサンブール宮殿。公園が広すぎてどこが宮殿だかよくわからないまま通り過ぎてしまう。この公園もやはりネコ臭かった。たわわな胸を実らせた美しいランナーや、ペットボトルのなかに砂をつめては別な砂場に運ぶ賽の河原的な一人遊びに興じる子どもの姿などが印象的。パリ市内では日本以上に市民ランナーが見受けられたが、走るフォームが体に悪そうな人が多く、これでは日本人の長距離選手に適うまい、と思った。





R0011432





R0011433





R0011435





R0011439





この日は移動の疲れもあったので(シャワーも浴びてなかったし)、このあとパンテオン・ソルボンヌ周辺を歩いたあと、メトロに乗ってホテルへ帰る。夕食は周辺のパン屋でサンドイッチとカンパーニュを購入(併せて6ユーロぐらい)。ボリューム盛りだくさんで美味しかった。ビールもとにかく安く、なんでも良いや、と喜んで飲む。ホテルはメトロの9番線沿い。これが格差社会の構図みたいな路線で、終点近くの郊外の駅では有色人種の人しか乗ってこないし、中心部になるにつれて白人が増えてくる。気がつくと回りの肌の色が変わっているのだ。お店も歴史がある感じのカフェは、キッチンが黒人の持ち場で、ホールは白人の持ち場、とすごく色分けが分かりやすい。





こんな感じでパリ初日が終わった。続きはまた今度。





コメント

このブログの人気の投稿

石野卓球・野田努 『テクノボン』

テクノボン posted with amazlet at 11.05.05 石野 卓球 野田 努 JICC出版局 売り上げランキング: 100028 Amazon.co.jp で詳細を見る 石野卓球と野田努による対談形式で編まれたテクノ史。石野卓球の名前を見た瞬間、「あ、ふざけた本ですか」と勘ぐったのだが意外や意外、これが大名著であって驚いた。部分的にはまるでギリシャ哲学の対話篇のごとき深さ。出版年は1993年とかなり古い本ではあるが未だに読む価値を感じる本だった。といっても私はクラブ・ミュージックに対してほとんど門外漢と言っても良い。それだけにテクノについて語られた時に、ゴッド・ファーザー的な存在としてカールハインツ・シュトックハウゼンや、クラフトワークが置かれるのに違和感を感じていた。シュトックハウゼンもクラフトワークも「テクノ」として紹介されて聴いた音楽とまるで違ったものだったから。 本書はこうした疑問にも応えてくれるものだし、また、テクノとテクノ・ポップの距離についても教えてくれる。そもそも、テクノという言葉が広く流通する以前からリアルタイムでこの音楽を聴いてきた2人の語りに魅力がある。テクノ史もやや複雑で、電子音楽の流れを組むものや、パンクやニューウェーヴといったムーヴメントのなかから生まれたもの、あるいはデトロイトのように特殊な社会状況から生まれたものもある。こうした複数の流れの見通しが立つのはリスナーとしてありがたい。 それに今日ではYoutubeという《サブテクスト》がある。『テクノボン』を片手に検索をかけていくと、どんどん世界が広がっていくのが楽しかった。なかでも衝撃的だったのはDAF。リエゾン・ダンジュルースが大好きな私であるから、これがハマるのは当然な気もするけれど、今すぐ中古盤屋とかに駆け込みたくなる衝動に駆られる音。私の耳は、最近の音楽にはまったくハマれない可哀想な耳になってしまったようなので、こうした方面に新たなステップを踏み出して行きたくなる。 あと、カール・クレイグって名前だけは聞いたことあったけど、超カッコ良い~、と思った。学生時代、ニューウェーヴ大好きなヤツは周りにいたけれど、こういうのを聴いている人はいなかった。そういう友人と出会ってたら、今とは随分聴いている音楽が違っただろうなぁ、というほどに、カール・クレイグの音は自分のツ

2011年7月17日に開催されるクラブイベント「現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」のフライヤーができました

フライヤーは ナナタさん に依頼しました。来月、都内の現代音楽関連のイベントで配ったりすると思います。もらってあげてください。 イベント詳細「夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」

桑木野幸司 『叡智の建築家: 記憶のロクスとしての16‐17世紀の庭園、劇場、都市』

叡智の建築家―記憶のロクスとしての16‐17世紀の庭園、劇場、都市 posted with amazlet at 14.07.30 桑木野 幸司 中央公論美術出版 売り上げランキング: 1,115,473 Amazon.co.jpで詳細を見る 本書が取り扱っているのは、古代ギリシアの時代から知識人のあいだで体系化されてきた古典的記憶術と、その記憶術に活用された建築の歴史分析だ。古典的記憶術において、記憶の受け皿である精神は建築の形でモデル化されていた。たとえば、あるルールに従って、精神のなかに区画を作り、秩序立ててイメージを配置する。術者はそのイメージを取り出す際には、あたかも精神のなかの建築物をめぐることによって、想起がおこなわれた。古典的記憶術が活躍した時代のある種の建築物は、この建築的精神の理想的モデルを現実化したものとして設計され、知識人に活用されていた。 こうした記憶術と建築との関連をあつかった類書は少なくない(わたしが読んだものを文末にリスト化した)。しかし、わたしが読んだかぎり、記憶術の精神モデルに関する日本語による記述は、本書のものが最良だと思う。コンピューター用語が適切に用いられ、術者の精神の働きがとてもわかりやすく書かれている。この「動きを捉える描写」は「キネティック・アーキテクチャー」という耳慣れない概念の説明でも一役買っている。 直訳すれば「動的な建築」となるこの概念は、記憶術的建築を単なる記憶の容れ物のモデルとしてだけではなく、新しい知識を生み出す装置として描くために用いられている。建築や庭園といった舞台を動きまわることで、イメージを記憶したり、さらに配置されたイメージとの関連からまったく新しいイメージを生み出すことが可能となる設計思想からは、精神から建築へのイメージの投射のみならず、建築から精神へという逆方向の投射を読み取れる。人間の動作によって、建築から作用がおこなわれ、また建築に与えられたイメージも変容していくダイナミズムが読み手にも伝わってくるようだ。 本書は、2011年にイタリア語で出版された著書を書き改めたもの。手にとった人の多くがまず、その浩瀚さに驚いてしまうだろうけれど、それだけでなくとても美しい本だと思う。マニエリスム的とさえ感じられる文体によって豊かなイメージを抱か