イェイツの『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス主義の伝統』を読む(原書で) #1

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Giordano Bruno and the Hermetic Tradition (Routledge Classics)
Frances Yates
Routledge
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イギリスの歴史研究者、フランセス・イェイツ(1899-1981)の『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス主義の伝統(Giordano Buruno and Hermetic Tradition)』は近年静かに盛り上がりを見せているインテレクチュアル・ヒストリーの名著のひとつと言われています。ジョルダーノ・ブルーノと、16世紀ぐらいまで絶大な影響をもっていたヘルメス主義の関係をひもとくこの著作が1964年に出版されると、それまで知る人ぞ知る存在であったイェイツは国際的な評価を得ることになったそうです。こうしたところからイェイツ的にも記念碑的な著作と言っても良いのでしょう。そんな有名な本だったのですが、邦訳は永らく出ておらず『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』として昨年になってようやく刊行されています。



ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統
フランセス・イエイツ
工作舎
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しかし、それが10500円というあまりにも……な価格。こうした分野の本に研究者でもない人が足を踏み入れるのだとしたらよっぽどな物好きかと思われますが、この出版不況の最中、物好きから搾取してやろう、という魂胆か! この守銭奴! と頭にきた私は原書で読んでやろう、と思い立ったのでした。原書は1800円以下。この価格差は冗談のようですね。このエントリのはじめに掲載している書影はなんかアマゾンのサンプル画像かと思いましたが、届いてみたらこのままの表紙だったのでちょっと驚いてしまいましたけれども(どのへんがブルーノと関係あるのだろうか)。



Giordano Bruno and the Hermetic Tradition
Frances Amelia Yates
Univ of Chicago Pr (Tx)
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こっちは冗談みたいな表紙のものの前の版みたい(出版社も違う)。デザインはちゃんとブルーノに絡んだものになっていますが(これは『記憶術』*1にもでてきましたね)値段もちょっと高いうえにヴァールブルク研究所に所属していたJ. B. トラップによるイントロダクションがついてないみたい。イェイツの伝記本の邦訳もすでに刊行されているようですが(『フランシス・イェイツとヘルメス的伝統』)、このイントロダクションはイェイツが『ジョルダーノ・ブルーノ……』を刊行するまでの経歴と(刊行時65歳ですからかなり遅咲きの人だった、と言えるのでしょう)刊行後の評価や影響などがコンパクトにまとめられているので、最初の一冊としてもありがたい。彼女がこの本を書くまでに受けた影響なども紹介されているのも興味深かったです。これは彼女自身による序文にもあるところですがカバラについてはG. G. ショーレムの著作から、またブルーノ以前のヘルメス主義者(ルネサンス人)については彼女の師匠格にあたるD. P. ウォーカーから学んでいたそうな。ショーレムもウォーカーにも邦訳があるので、後々読んでみたいところ。





本日は本の紹介と、イントロダクションについて触れました。本文については次回から改めて見ていきましょう。






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