集英社「ラテンアメリカの文学」シリーズを読む#8 コルターサル『石蹴り遊び』

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石蹴り遊び (ラテンアメリカの文学 (8))
コルターサル
集英社
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 集英社「ラテンアメリカの文学」シリーズ、第8巻はアルゼンチンのフリオ・コルタサル(1914-1984)の『石蹴り遊び』です。これはこのシリーズのなかでもかなり人気が高く、古書価格もかなりの値段がついちゃってます。文庫にもなっているのですが、アマゾンのマーケットプレイスで手に入れようものなら7000円ぐらいしちゃいます。私の持ってるハードカバー版も最低5000円ですって……。大変ですね。でも最近、岩波文庫にラテンアメリカ文学の名作が入ったり、重版されたりしているので待ってたらそのうち復刊するのかもしれません。なにしろ、ピンチョンの全集が発売される世の中ですからね……。と、ここまで本の内容には一切触れておりませんが、これは私の苦手な感じの作品でした。以前にコルタサルの短編集を読んだときも*1「好きな作品もあれば、あまり好きではない作品もある」という感じだったのですが、『石蹴り遊び』は完全に「あ、これは俺向けではない」という感じの作品。ふたつの文章が並んで進行したり、「この本は2つの読み方がある」とはじめに提示してみたり、ものすごく断片的であったり……とテクニカルな小説なのですが、実のところ「なんか働きもせずにウダウダやってるワナビー青年」のことが書かれた実存小説(笑)な気がしてならず、これがここまで高い評価を得ている理由があまりよくわかりません。おまけに450ページ以上あるし。これならばボルヘスの10ページを読んだほうが、私には有意義に思えます。別な方向から評価をするならば、非常に韻文的な作品、という感じがします。全体は長大なのですが、内部はすごく細分化されている。それらは点描的、モザイク的に小説世界を構成していく。しかもそれらはさまざまな順番で読み替えられることによって、中心を持たず意味を広げていく――しかし、このように広がりをもった意味をこの小説から読み取るには、非常に根気のいる読書家としての体力が必要に思われます。私は不真面目な読書人ですので、とうていそのような境地にいたることはできませんでした。






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