集英社「ラテンアメリカの文学」シリーズを読む#3 カルペンティエール『失われた足跡』『時との戦い』

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失われた足跡 時との戦い (ラテンアメリカの文学 (3))
カルペンティエール
集英社
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 集英社「ラテンアメリカの文学」第3巻は、キューバのアレッホ・カルペンティエールの長編『失われた足跡』と、短編集『時との戦い』を収録しています。『失われた足跡』のほうは今年に入って読んだばかりなので飛ばしました。感想はこちらに書いてあります。今気がついたんですが、このシリーズの巻数って作家の生年順みたいですね。1、2巻は1899年生まれのボルヘスとアストリアス。で、カルペンティエールが1904年。世代的に彼もまた「マジックリアリズムの先駆者」のひとりであります。どうでも良いですが、お顔が優しいジャバ・ザ・ハットみたい。





f:id:Geheimagent:20091214200755j:image:left(←カルペンティエールのお姿。晩年かな?)で、短編集『時との戦い』なのですが、うーん……これは微妙なところ。短編集の表題は、表題作となっている作品があるわけではなくて「時」というテーマをめぐって様々な手法を凝らしながら書いた作品を集めたコンセプトを指し示していると思うのですが、同じようなテーマで書いていたボルヘスと比べると幾分落ちるかな、と。長編はものすごく面白かったのですが、天は二物を……と言ったところでしょうか。今際の時から胎児まで逆に時間が進行する伝記(ベンジャミン・バトンみたいだ!)やら、様々な民族に残っている箱舟伝説の主人公が「洪水」のときに一同に会していた! というコントみたいな話やら様々で多彩ではあります。ただし、イマイチ決め手にかけるように思いました。





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